外資で経理するOLの小言

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勉強するならIFRSではなくUSCPAなワケ

IFRSへのコンバージェンスやらアドプションやらが謳われる中、米国公認会計士の勉強を始めるってどうなの?って思う人がいると思うんですが、私は勉強をして損はないと思います。あくまで、日本の公認会計士試験や税理士試験を目指すほどの時間やエネルギーに余裕はないが、会計分野である程度のエキスパートを目指したい人にとってです。

 

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USGAAPでもJGAAPでもIFRSとの大きな違いは、大きく言うと、前者2つはルールを細かく制定し、企業はそのルールに従った会計処理を行うことを前提としていることに対し、後者は財務報告に関する原則を明らかにして、解釈や運用は企業の判断に委ねるというところです。また、前者2つは収益から費用を差し引いた利益を重視しし、その純利益によって純資産が増加するというP/L的な発想であるのに対して、IFRSは資産と負債の差額である純資産の増減こそが認識されるべく包括利益というB/Sアプローチであるという点です。

 

 

IFRSでは、USGAAPやJGAAPにある会計処理上の明確な数値基準がなく、すべては「概念フレームワーク」という原則に則った見積もりと重要性の判断によって会計処理を行います。もちろん重要性にかかる妥当性の判断は企業側だけではできませんから、監査人の意見も担保にとらないといけなかったりします。IFRSでは、投資家の意思決定のための財務諸表を作ることが重要とされていますが、要は処理側からしたらあいまいなのです。これから会計業界を志し、勉強を始める人にとっては、内容がぼんやりしすぎていて、具体的な事象に対する対応が判断できないと思うんです。日本の会計業界はあくまで実務経験重視です。概念だけ叩きこんでも実務に役に立たなかったら意味がありません。

 

 

可能であれば日本の公認会計士試験が、一番内容が濃く、実務の予行練習みたいな学習内容なので鉄板習熟度ではあります。しかし、結局のところ日本の会計は今まで米国会計の背中を追ってきたことには間違いないので、日本で会計業界を目指すなら米国公認会計士試験の勉強も結構役に立ちます。実務レベルにまで落としこんだ細い積み上げは日本の公認会計士にはかないませんが、ステップアップにつなげるための準備としては十分な内容だと思います。(米国連邦ルールにはなりますが)税法との絡みや監査の仕組み、内部統制リスクも網羅的に学べますし、それらの知識は監査業務のみならず、経理業務に携わる上でも間違いなく役に立ちます。

 

 

これから米国公認会計士を勉強しようかどうか悩んでる人がいたら、私は間違いなく背中を押します。自分自身、転職活動をしてそれだけの評価、手ごたえを感じました。IFRSとの差異の解消は、のちのちでも問題ありません。むしろ、現状の会計基準を理解したうえで差異解消に取り組むほうが、理解も容易ですし、求人としてのニーズとして高いと思います。