外資で経理するOLの小言

未経験から年収1000万円達成!USCPAホルダー外資経理OLのブログです。

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面接官をして思うこと

先日また、アカウンタントの採用面接をしました。候補者は30代半ば(女性)の監査経験者です。中小企業の財務経理を3年ほど経て、USCPAを取得し、監査法人に転職されたとのことです。キャリアに一貫性もあり、監査経験についても事業会社の採用する立場からすれば魅力に映るはずなんですが、いまいちピンとこずお見送りとさせいただきました。

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面接を通して、彼女に対してもった印象はこんな感じです。

<プラス>

  • 強いガッツ、勤勉で良い意味で貪欲
  • キャリアにおける一貫性
  • 年齢面から期待できるポテンシャル

 

<マイナス>

  • 監査業務に携わってきたものの、事業会社経理経験は浅い
  • 国内税務に関する経験・知識が全くない
  • 質問に対する直接的な返答が(時々)得られない

 

箇条書きで表すとよくありそうな例にも取れますが、やはり人と人なので面接の中では、「その人をどれくらい信頼できるか」という観点でも相手を見ます。キャリアとしての大枠的な方向性は一貫しているものの、具体的な論点に焦点に当てて回答を求めると、返答に困ってしまったり、これまでの会話と矛盾する回答になってしまったり、というのが見受けられました。

 

会計分野でキャリアアップを目指すなら、USCPAを取ったら資格を活かして監査経験を積みたいと考えるのは当然と思いますし、またその先で事業会社経理としてやっていきたい(戻りたい)と考えるものよくある流れだと思います。ただ、そこで外資系を目指したいのであれば、「なぜ外資系なのか」というつじつまを合わせることも大切です。「なぜ外資系なのか」という質問は、わたしもこれまで何度も聞かれましたし、面接官としての面接でも聞くようにしています。例えばよく耳にする、監査法人からの転職動機として、「監査法人は粗探しをする立場なので、頑張れば頑張るほどクライアントからは煙たがられる、今後は監査経験を活かして、一企業に属する立場から発展を支えていきたい」、というのがあります。転職動機としてはもちろん有効ですが、それが発言する相手(企業)に響く動機なのかということも重要だと思います。少なくとも、企業規模にもよりますが外資系の日本法人の面接ではあまり通用しない気がしています。

 

また、経験についての説明を求めると、作業工程の話を延々とされる方は多いと思います。かつての自分もそうでしたが、それでは他の候補者との差別化はできません。経理業務のルーチン的な役割は、手法は異なれどどの企業でも同じことをしてるので、そもそも他社での作業的なやり方は、面接官として聞く方も疲れます。そうならないようにするには、わたし個人の意見としてですが、自分の経験についてはできるだけ深掘りして、無理矢理にでも理由づけすることをお勧めします。具体的には、「ある経験に対して、どう感じて何を学び、今どう活かせているのか」です。例をあげると、「XX業務は、作業要素が強かったが、業務内容を単純化することでより効率的にさばくことができると気づき、単純化するスキームを構築した、そのスキームを応用することで、YY業務の効率化にも繋げることができている」など。このようにしておくと、面接で答えにくい質問(達成したこと・困ったこと・今後のイメージ)にも、より説得力を持たせやすくなります。なんとなく目の前の業務を単純にさばくだけでは、本質に意味を感じられず、やっていること自体に意味があると思い込んでしまい、回答が単調になる傾向があります。要するに、やっていること自体の内容の説明になってしまいます。そうなると、面接官の心を動かしにくいです。

 

コロナ渦とはいえ、転職市場は活発に動いているようにも感じます。面接についてもオンライン化が進み、対面での臨場感や熱意なども伝わりづらいところがあります。そんな中では、より一層会話の内容に焦点を当てて、他者との差別化を図ることが求められているように思います。わたし自身もまた、面接官をすることで、面接される方とする方の双方の立場で気づくことや考えることをアウトプットでき、それがまた自身の経験の肥やしになっていることを実感します。